サイエンスフィクションやスパイ映画そしてアニメなどでは、様々なウェアラブルガジェットが登場します。

そんなガジェットの中でも、憧れるメガネ型のヘッドアップディスプレイ[HUD]です。

メガネを通して視界にデータ情報を映し出す、ウェアラブルデバイスの実用化が近づいてきました。 スマートフォンに変わる新デバイスとして私たちにも手にできることが期待できます。

ARについての解説やVRとの違い、スマートグラスとARグラスの違いについてもご紹介します!

SFのウェアラブル端末

まずは、メガネタイプのSFガジェットをおさらいしておきましょう。

ドラゴンボール / スカウター

鳥山明作のドラゴンボールに登場する「スカウター」は、グラス越しに相手を見ると戦闘力の数値を知ることができるガジェットです。

アベンジャーズ / トニー・スターク

ロバート・ダウニー・ジュニアが演じるアイアンマンのトニー・スタークが作った人工知能が搭載されたサングラスが以下の映画で登場します。

  • 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
  • 『アベンジャーズ/エンドゲーム』
  • 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、「E.D.I.T.H. 」(イーディス)という人工知能が搭載され、トム・ホランド演じるスパイダーマンのピーター・パーカーが譲り受け、使用しています。「Even Dead I’m The Hero」(たとえ死んでも私がヒーローだ)という頭文字から取られています。

スマホに変わる新デバイス

日本では、2008年にソフトバンクがiPhoneを販売開始し、2009年にアンドロイド搭載スマホが発表され、徐々にスマホの普及が広がり、タブレット、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスなどデジタル端末が当たり前の時代となりました。

今は、なくてはならない存在となってきた、スマートフォンですが普及して既に10年以上経っています。様々なアプリが登場し便利にはなりましたが、そろそろスマホを持つのが疲れてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

新しいもの好きの方なら、新デバイスを求めている方も多いかと思います。

スマホは、手にとって画面を見ながら操作するので、外出先での操作は周りが見えなくなるので、とても危険です。歩きスマホによる事故も過去数年で、年間2000件と多発しています。

便利な反面まだ不便な部分があるスマホに変わる新時代がやってきました。巷でも注目を集めているARグラスです。

ARは拡張現実のことで、現実世界に仮想世界を映し出す機能です。メガネなどを通して、現実世界に重ねて、仮想世界を映し出すことができます。まるで、SF映画などに登場するような端末が身近になってきます。

ARと合わせて、今注目を集めている、XR(クロスリアリティ)について知っておきましょう。

注目のXR [ VR / AR / MR / SR / AV]

XRは総称

仮想世界と現実世界の融合した技術にVR、AR、MR、SR、AVなどがあり、それらの総称を「XR」、「エックスアール」や「クロスリアリティー」と呼びます。

AR / 拡張現実

【AR [Augmented Reality] 拡張現実】

まず、知っておきたいAR(エーアール)ですが、「拡張現実」という意味の英語である「Augmented reality(オーグメンテッド・リアリティ)」の頭文字をとっています。

拡張現実は、スマホなどのGPSやカメラ機能を利用して、実際の景色や地形などに仮想世界を映し出します。

世界的に人気を集めて、ご存知の方も多いゲームアプリの『ポケモンGO』をはじめ、『ドラゴンクエストウォーク(ドラクエウォーク)』など、実際の景色の画面上にキャラクターを映し出すことができます。

出典:https://www.pokemongo.jp/

また、カメラや動画撮影機能の充実している『SONW(スノー)』『インスタグラム』『スナップチャット』『Tiktok(ティックトック)』などでは、顔認識によって加工やフィルターなど実際の画面に変化を加えることができます。バーチャルYoutuberなどのようにキャラクターやアバターをカメラに映し出された画面上の自分の動きに合わせて動かすことができます。

『Googleマップ』では、スマホのカメラを向けた実際の風景の中にナビゲーションを表示させる機能などもあります。アプリに目的地を入力後に経路>徒歩>「ライブビュー」でARの案内を見ることができます。

ARは様々なアプリで利用されている機能です。

VR / 仮想現実

【VR [Virtual Reality] 仮想現実】

VR(バーチャル・リアリティ)は仮想世界を、現実で体験しているかのように画面に映し出される世界を体感できます。

VRのヘッドセットなどのゴーグルを装着すると、映し出された画面を360度見渡すことができます。

ARとVRの違いは、ARは現実世界に仮想世界を映し出すのですが、VRは現実とは別の仮想世界の空間を体験します。VRのゴーグルも透けない不透明のものです。

ゴーグルをつけて外を歩き回ると、前が完全に見えないので、ぶつかったりして危険です。

MR / 複合現実

【MR [Mixed Reality] 複合現実】

MR(ミックスト・リアリティ)は仮想と現実の世界を融合させたもので、VR、AR、AVなどを組み合わせて操作することができるものです。

SR / 代替現実

【SR [Substitutional Reality] 代替現実】

SR(サブスティテューショナル・リアリティ)は、現実の世界に過去の映像を映し出し、現実にあるかのような錯覚を体感できます。

AV / 拡張仮想

【AV [Augmented Virtuality] 拡張仮想】

AV(オーグメンテッド・バーチャル)は仮想空間に現実の情報を重ね合せるものです。ARとは逆の概念となります。

Google Earthなどのデジタル情報に、Googleストリートビューとして現実の写真などを表示させているようなものを指します。

ARグラス・スマートグラス

スマートグラス

メガネにカメラやディスプレイ機能を搭載したスマートグラスが登場しています。

ハンズフリーでデジタル情報を確認できるので、便利です。

しかし、カメラが搭載されているため、プライバシーの保護などの問題や、運転中の使用による危険性など、様々な懸念点があるため、一般に普及されていないのが現状です。一方で、工場や倉庫、勤務地など一定の業務範囲で利用する実証実験など行われています。

プライバシーの問題や危険性の問題がクリアすれば、一般化も期待できます。

ARグラス

メガネ型のARグラスは搭載されているセンサーから現実空間を認識し、デジタルの情報をメガネ越しの現実世界に映し出します。

センサーが搭載されているため、現状ヘッドセットのような大きめのデザインです。ただ、ハンズフリーで拡張現実を見ることができるため、効率的です。現在は工場や倉庫など、企業の業務領域で利用されていることが多いです。

AppleはARの開発を強化しており、ARシステムの搭載された「Apple Glass」の開発中で、2021年~2022年頃に発表されると噂されています。

スマートコンタクトレンズ

メガネの先はコンタクトレンズです。

コンタクトレンズ越しに画面を表示させる機能を搭載させたスマートコンタクトレンズの開発が進んでいます。

Mojo Visionが「Mojo Lens」の開発をしていますが、現在研究段階です。商品化される日を待ちましょう。

実用化

ドバイ警察

空飛ぶ車での訓練など最先端の技術を採用しているドバイ警察ですが、2020年新型コロナウイルス感染拡大防止のため、IT技術を活用したIT警察が導入されています。

デジタル技術の活用で感染者を早期発見することができ、感染拡大の防止や、感染者の重症化も防いでいます。また、感染者の内の死者率も世界最低水準を保っています。

ドバイの警察では、カメラや温度センサー、AR(拡張現実)の機能ついた「スマートヘルメット」が導入されいます。

スマートヘルメットをかぶった警察官はヘルメットのゴーグルを通じて街を歩く人の体温を確認することができます。

参照元:UAE、「IT警官」が発熱監視 死亡率は世界最低水準

https://maverickdreamer.com/1050

USJ/スーパー・ニンテンドー・ワールドのアトラクション

2021年3月、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにオープンされたスーパー・ニンテンドー・ワールドにある『マリオカート ~クッパの挑戦状~』は、ARゴーグルを使ったアトラクションです。

アトラクション内ではAR、空間演出、プロジェクションマッピング、スクーリーン投影、特殊効果などにより、ニンテンドーの人気ゲーム「マリオカート」の世界が再現されています。 乗り物に搭乗する際にARゴーグルを装着します。映像がゴーグルに映し出され、目の前にマリオカートでお馴染みのキャラクターが現れ、まるでマリオカートの世界に没入したような感覚でアトラクションを楽しめます。

・詳細:ユニバーサルスタジオ公式HP

まとめ

開発が進むARグラスですが、一部で実用化もされているので、近いうちに一般化される期待も高まります。カメラ認証で相手の「信用スコア」も分かる時代になっきているので、映画やアニメなどのように、相手の戦闘力などをメガネ越しに見ることができる日がくるかもしれません。

プライバシー保護の課題や、数値化されることによる格付け社会への懸念もある一方で、犯罪や病気の拡大などを未然に防ぐことができる点では見守りの延長線と考えることもできます。

日々進化するテクノロジー・技術で、より便利で、更に平和な未来が実現されると予想できます。

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